「大和ミュージアム」を訪ねて

東経12804分、北緯3043分、日本海軍の象徴であった「戦艦大和」は今もこの場所で水深325メートルの海底に眠っている。私はこの「大和」に多少なりとも縁がある。一つは戦後の海軍、つまり海上自衛隊に入隊し護衛艦に乗艦して電信員をしていたこと、いま一つは昭和2047日に鹿児島の鹿屋海軍航空基地の分遣隊があった十三塚原で「大和」を援護すべく飛び立とうとしていた戦闘機群が離陸に失敗して僚機に接触して次々と誘爆を引き起こしたとき私はその近くに住んでいたのである。すごい爆発音で防空壕の中で敵の襲来だと脅えたのを覚えている。確か加治木の国民尋常小学校入学の前日だったと思う。勿論、このことは後でわかったことで軍は秘密にしていたらしい。今、現在も公表されていないのではないだろうか。
104日は私達夫婦の結婚記念日である。10年ほど前から毎年この日に結婚記念旅行をしている。今年は呉にある「大和ミュージアム」を見学したいと昨年封切りされた映画「男たちの大和」を鑑賞して以来、心に決めて妻にも了解を取っていた。今年の104日当日は県人会の「一木会」が予定されていたので会に参加するため出発は町田を午後4時に酔狂にも車で出かけることにした。途中大津で一泊、呉に到着したのは5日の午後1時、3時間もあれば十分ミュージアムを見学できるだろうと思っていたが実際には大変多くの見学者で4時間もかかってしまった。

圧巻は10分の1に縮小された「大和」のきわめて精巧に製作された模型である。私の持参したデジカメでは大き過ぎて画像が入りきらない。螺旋状に通路が4階まで作られておりどの階からでも見られるのだが4階まで行っても全体像をカメラに収めることは出来なかった。ほとんどの見学者はこの模型を見るためにミュージアムを訪れているのだろうがこの「大和」の模型以外に見所は沢山ある。「大和」誕生にいたる歴史的写真、展示物、数々の軍艦の模型が展示されていて4時間でも時間が足りなかった。

ミュージアムのはす向かいに海上自衛隊の資料館があり正面入り口の前に巨大な張りぼての潜水艦が空中に展示されていた、と思ったのだがそばに近づいて見ると、何と実物の潜水艦である。これには驚いた、1000トン以上あると思われる艦をどうやって吊り上げたのか今もって不思議に思っている。館員の説明によると3年前までは「あきしお」と呼ばれていた現役の潜水艦だったそうだ。内部も見学者に開放されているので「大和」とともに是非訪れたい展示である。

呉、と言えば30分ほどフェリーに乗れば江田島に行ける。折角呉まで来たのだから世界3大海軍学校の一つである術科学校と幹部候補生学校を訪れることをお勧めする。私も家内も15年ほど前に見学したことがあるので(私自身はここで1年間過ごした)今回はスキップして2日目の宿泊地である津和野に向かって呉を後にした。

電気32/平田一郎